研究者立ち合いで公式に認められている断眠記録は、アメリカの17歳の少年ランディー・ガードナー君が持つ264時間12分で、これは約11日間に及びます。

では、このランディー少年が11日間正常だったかというとそうではなく、

断眠2日目からは、
・目の焦点が合わなくなる、視力の低下
・立体感覚がなくなる(触っただけで物体を判断することが出来にくくなる)
・気分の落ち込み
・早口言葉が出来なくなる
が見られ、4日目からは、

・思考力・記憶力の低下
・イライラ
・信号が人に見えるなどの幻覚症状の発生
・自分が人に嫌われている、あるいは自分が人に危害を与えると思い込む(偏執症状)

9日目に至っては、
・まとまった話が出来ない
・左右の眼球がばらばらに動く
・妄想が始まる

最後11日目は、
・集中力や思考力の更なる減退
・指の震え
・無表情
などが認められたとされます。

ところが!
そんな極限状態にあるランディー君に彼が興味のあるというゲームを行わせると、全く普通の状態に戻り相手を負かしてしまったと言います。

これは極限状態でも強い刺激を受けると一時的に睡眠不足の症状が薄らぐことを示すもので、程度の差こそあれ多くの人が似たようなことを経験しているのではないでしょうか。

また、このランディー君は、断眠後にいつもより長くぐっすり眠ったところ異常な行動はすべて消え、ほぼ正常な状態に戻ったそうです。

では、少々睡眠不足が続いても平気なのか?と言うとそうではありません。

断眠後、しっかり寝ると体は正常に戻るのは確かですが、それはあくまでも一時的に睡眠不足に陥った場合にのみ言えるのです。
断眠の影響は今のところ下記のようにまとめられています。

・めまい、疲労感、自制心の崩壊、恐怖心などが現れる
・食欲が異常に増え、体温が低下する
・ラットの実験では、異常な食欲にも関わらず、体重の減少と体温低下が見られ、体毛も黄色く変色した。

またいったん体温調整が出来なくなると、その後、十分な眠りをあたえても体温が正常に戻らず死んでしまった。

睡眠不足になると、始めは食欲が増し体重が増えますが、長期間睡眠不足が続くと体重が減り始め、体温の低下も顕著になります。

食欲が増すのは、ずっと起きていることによりエネルギーが多量に必要になるためと考えられますが、体温が徐々に低下して痩せてしまうのは、やがてそのエネルギーがたりなくなるためだと思われます。

結論的に、断眠や睡眠不足は脳の機能を少しずつ狂わせ、やがては修復がきかない状態に陥らせるのです。

慢性睡眠不足は怖いもので改善が必要です。
また日頃十分寝ているという場合も、その質が悪く脳の疲れがとれていなければ同じことで、やはり改善が必要です。

落ち込み、不安感、ミス、疲労感、急に食欲が増す、などの症状が現れたら睡眠不足の危険信号かもしれません。