労働者の不眠症などの睡眠の問題がもたらす生産性の低下や交通事故などが経済に及ぼす損失は年間約3兆5000億円という試算を日本大医学部の内山真教授(精神医学)がまとめた。

試算方法は、大阪の化学企業の従業員を対象に、睡眠や日中の眠気による作業効率の低下・交通事故の経験などのアンケート調査を実施し、これと賃金・交通事故の保険金などの公的データと合わせて推計。

その結果、仕事中に耐えられない眠気が襲う頻度が、睡眠に問題のある人はない人に比べ男性で平均月2・3回、女性で2・1回も多かった。眠気が原因の作業効率の低下により生じる経済損失は全国で3兆665億円と算定した。

睡眠の問題があると「欠勤、遅刻、早退」も多くなる。この調査では、これらによる経済損失は、それぞれ全国で731億円、810億円、75億円となった。

交通事故の場合、睡眠に問題がある人の方が、ない人に比べ年間2・9%も発生率が高く、この損失は約2413億円とした。経済損失の合計は3兆4693億8756万円に達した。今回の損失額には、注目される睡眠障害が起こす健康被害の損失は含まれていない。